コエンザイムQ10の基礎知識

コエンザイムQ10の安全性

アンチエイジングや生活習慣病予防など、美容・健康効果ばかりが注目されがちなコエンザイムQ10ですが、実は安全性の面で見ても非常に優秀な成分です。とはいえ、正しい摂取量・摂取方法を守らなければ健康被害を引き起こす可能性もゼロではありません。

今回は、コエンザイムの安全性と正しい摂取方法について、注意点を交えながらご紹介していきます。

コエンザイムQ10の安全性

コエンザイムQ10は元々医薬品の成分として心臓病治療などに用いられてきました。日本でも1974年に医療への使用が許可され、現在でも心不全の治療に用いられることがあります。

驚くべきはその副作用の少なさで、とある臨床実験では毎日300mgものコエンザイムQ10を心臓病患者に摂取させても目立った副作用は表れなかったという結果が出ました。別の実験では、マウスに毎日600mgのコエンザイムQ10を半年以上投与し続けましたが、副作用は出なかったと言います。

日本においてもその安全性の高さが認められることとなり、2001年からは食品への添加が許可されました。その後、サプリメントなどの健康食品が多数発売されることになります。

コエンザイムQ10がこれほどまでに高い安全性を誇る理由は明確には判明していませんが、人体との親和性によるところが大きいのではないかと言われています。コエンザイムQ10は元々体内でも生成することのできる物質なので人体との親和性が高く、与える影響が小さいという考え方です。

コエンザイムQ10の研究は1950年代から始まっており、その歴史は半世紀以上にも及びます。これほどまでに長く使い続けられてなお大きな副作用などの危険性が示唆されない以上、コエンザイムQ10の安全性は非常に高いものであると考えてよいでしょう。

コエンザイムQ10の摂取量

コエンザイムQ10の1日の摂取目安は30~60mgです。毎日これだけ摂取していれば、コエンザイムQ10の不足は起こりにくくなるでしょう。

コエンザイムQ10の注意点

副作用が絶対に出ないわけではない

コエンザイムQ10は安全性が高く、過去の実験では1日に600mgを摂取しても問題が出なかった事例もあります。しかし、だからと言って副作用が絶対に出ないという確証があるわけではありません。用法・用量はしっかりと守り、必要以上に摂取しないように心がけましょう。

特定の薬とは飲み合わせが悪い

医師から継続的に薬を処方してもらっている場合は、コエンザイムQ10との飲み合わせに注意が必要です。例えば、血圧や下げる薬とコエンザイムQ10を併用すると低血圧症を引き起こす可能性があります。また、同様の理由で血糖値を下げる薬とも飲み合わせが悪いです。

他にも、血液の凝固を防ぐ「ワルファリン」という薬は、コエンザイムQ10との同時摂取によって効果が低下することが報告されています。このように、薬の働きを助長しすぎたり、逆に阻害してしまったりすることも考えられるので、薬を服用中の方は医師に相談してからコエンザイムQ10を使用するようにしましょう。

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